偶然との出会いを楽しむ.撮り直しのきかないカメラが教えてくれること.

24/36 - フィルムカメラアプリ

最後にあなたが撮った写真のことを,思い出してみてください. おそらく,シャッターを押す前に,完成形をほぼ正確に予測できていたのではないでしょうか.そして,もし予測と違えば,すぐに撮り直したはずです.

デジタルの世界では,「偶然」が入り込む余地はほとんどありません.私たちは常に結果をコントロールしようとします.

しかし,「24/36」は,あなたからそのコントロールを少しだけ手放すことを提案します.撮り直しがきかないという制約は,私たちに「偶然との出会い」を楽しむ心の余裕を教えてくれます.

意図を超えた,一枚

撮り直しができないカメラで撮影し,1時間待って初めて結果を見る.そのプロセスの中では,私たちの意図を超えた様々な「偶然」が起こります.

  • 予期せぬ光のいたずら: 撮影時には気づかなかった光の反射が,写真に幻想的な効果をもたらしてくれることがあります.
  • 構図の奇跡: ファインダーを覗いている時には予測できなかった一瞬の動きがフレームインし,完璧な構図を生み出すことがあります.
  • 感情の再発見: 撮ったことすら忘れていた一枚の写真が,その日の感情や空気感を見事に捉えていて,心を揺さぶられることがあります.

これらの偶然は,すべてをコントロールしようとする姿勢を一度手放し,結果をありのままに受け入れることで初めて出会える宝物です.

プロセスそのものを,楽しむ

「どんな写真が撮れているだろう?」 この不確実性こそが,フィルム写真の最大の魅力の一つです.完成形をコントロールできないからこそ,私たちは結果を待つプロセスそのものを楽しむことができます.

「24/36」を使うことは,まるでボトルメッセージを海に流す行為に似ているかもしれません.自分の想いを込めてシャッターを切り,1時間という時間の海に放り出す.そして,少しだけ形を変えて自分の元に返ってきたメッセージ(写真)に,一喜一憂するのです.


完璧な結果を求めることから少しだけ離れて,そこにたどり着くまでの道のりや,予期せぬ出会いを楽しんでみませんか.撮り直しのきかないカメラは,写真の撮り方だけでなく,物事の楽しみ方まで教えてくれる,良き友人となるはずです.

コメント

タイトルとURLをコピーしました