タイパ，タイムパフォーマンス． 短い時間で，どれだけ多くの成果を得られるか．それが現代社会の一つの価値基準になっています．動画は倍速で視聴し，情報は要約で手に入れる．効率を求めるあまり，私たちはプロセスを省略し，結果へと急ぐことに慣れてしまいました．
しかし，本当に豊かな体験とは，効率だけでは測れないのではないでしょうか．
「24/36」の開発者は，そう考えました．そして，このアプリを通じて，タイパとは真逆の「遅さの価値」を提案したいと思っています．
手間と時間に宿る，豊かさ
例えば，手間ひまかけて淹れたコーヒーの味は格別です．一から出汁をとって作ったお味噌汁は，心に沁みます．すぐに手に入る便利さも素晴らしいですが，時間や手間をかけるという行為そのものが，結果として得られるものの価値を高め，深い味わいを生み出すことがあります．
「24/36」が提供する体験も，それに似ています．
- 選ぶ時間： どのフィルムで，どの色調で撮るか．限られた枚数だからこそ，真剣に悩み，考える時間．
- 撮る時間： 撮り直しができないからこそ，目の前の風景に集中し，構図や光を丁寧に見つめる時間．
- 待つ時間： 現像が終わるまで，どんな写真が撮れただろうかと，想像を巡らせる時間．
これらはすべて，効率という物差しで見れば「無駄」な時間かもしれません．しかし，この無駄に思える時間こそが，一枚の写真への愛着を育み，撮影という行為を単なる作業から豊かな「体験」へと昇華させてくれるのです．
あなたのポケットの中の，小さな反逆
「24/36」は，高速化していく社会に対する，私のささやかな反逆です．
このアプリを使っている間だけでも，効率や結果を求める気持ちから解放されてみませんか．すぐに答えが出ないもどかしさを，むしろ楽しんでみませんか．
一枚の写真を撮り，一時間待つ． そのゆったりとした時間の流れの中に，日々の忙しさの中では見過ごしてしまいがちな，ささやかで美しい発見がきっとあるはずです．
もしあなたが，少しだけ日常のスピードに疲れてしまったなら．ぜひ，「24/36」の扉を開いてみてください．そこには，ゆっくりと流れる，豊かな時間が待っています．
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