なぜ36枚しか撮れないの?「制限」が創造性を引き出す話.

24/36 - フィルムカメラアプリ

「もし,無限に写真が撮れたら,あなたはどんな写真を撮りますか?」

おそらく,多くの人が「とりあえず何でも撮っておく」と答えるでしょう.無限という選択肢は,私たちを自由にするようで,実は思考を停止させ,一枚一枚への集中力を奪ってしまうことがあります.

「24/36」が,あえて「24枚」と「36枚」という枚数制限を設けているのには,明確な理由があります.それは,「制限」こそが,私たちの創造性を最大限に引き出してくれると信じているからです.

「何でもできる」がもたらす不自由

真っ白で,どこまでも広がるキャンバスを前にして,かえって何を描けばいいか分からなくなってしまった経験はありませんか.選択肢が多すぎると,私たちは一つを選ぶことの価値を見失い,行動を起こせなくなってしまうことがあります.

写真も同じです.何千枚でも撮れると思うと,「とりあえずシャッターを押す」という行為が目的化してしまい,「なぜこれを撮りたいのか」という本質的な問いかけを忘れてしまいがちです.

「制限」という名のフレーム

一方で,「制限」は私たちに思考の「フレーム(枠)」を与えてくれます.

「あと10枚しか撮れない」 そう思った瞬間,私たちは目の前の世界を見る解像度をぐっと上げます.

  • 「本当にこれは撮る価値があるだろうか?」と,被写体を厳選するようになる.
  • 「どうすればこの一枚を最高のものにできるか?」と,光や構図を真剣に考えるようになる.
  • 「シャッターを押すべきは,今だろうか?」と,一瞬のタイミングを研ぎ澄ますようになる.

枚数制限は,私たちから自由を奪うものではありません.むしろ,無限の可能性の中から「撮るべき一枚」を見つけ出すための,集中力を高めるスイッチなのです.


かつての偉大な写真家たちも,限られたフィルムの中で数々の傑作を生み出してきました.制限があるからこそ,工夫が生まれ,技術が磨かれ,そして一枚に込める魂の密度が濃くなるのです.

「24/36」の小さなフィルムの中で,あなただけの傑作を見つけ出す旅を楽しんでみてください.その制限は,きっとあなたをより自由にしてくれるはずです.

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